地域と連携!いきいき脳活で認知症予防

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地域と連携!いきいき脳活で認知症予防

地域と連携!いきいき脳活で認知症予防

みんなが高い関心を持つ「健康」と、私たちの街「高輪」を結びつけた「プラたか健康特集」の記念すべき第1回は、高輪地区のいきいきプラザなどで活躍される「東京都済生会中央病院 認知症疾患医療センターの理学療法士 國枝洋太先生」です!
今回はプラたかメンバー4名でお話を伺わせていただきました。

國枝先生(以下、國)
プラたかネット取材班KS(以下、プ)
プラたかネット取材ND(以下、D)
プラたかネット取材TW(以下、W)
プラたかネット取材NS(以下、S)

プ:國枝先生、いつも色々とお世話になっております。本日はたくさんお話を聞かせていただければと思います。よろしくお願いします!

國:こちらこそよろしくお願いします。

プ:改めて自己紹介お願いできますか。

國:はい。東京都済生会中央病院の認知症疾患医療センターに所属していまして、理学療法士として港区内を中心にいろいろな活動をさせていただいています。

プ:認知症疾患医療センターの役割について教えてください。

國:東京都が指定しており、済生会中央病院が委託を受けています。役割としては、港区を中心に認知症に対する正しい知識を知っていただくための普及啓発を行うこと。地域のかかりつけ医と連携して、地域のコーディネーターの役割も担っています。

プ:では具体的にはどんなことをされているのでしょうか?

國:区民の方向けに、いきいきプラザや高齢者相談センターなどと連携し、認知症理解のための講習会を開催しています。また、実際に認知症の方とかかわる人向けには、毎回テーマを変えて認知症ケアセミナーを開催し、関係者に正しい知識の提供や、情報を共有する機会を作っています。

プ:そうなんですね!

その他にも、介護する方向けに短期集中セミナーを開催し、医師や看護師、理学療法士等の専門職が薬剤療法、栄養管理、接し方、社会資源の利用などについての情報も提供しています。

プ:対象者に合わせて色々されているんですね。ところで、そもそも國枝先生は何で理学療法士になろうと思ったのですか?

國:高校生の時、ジュビロ磐田で活躍するサッカー選手が怪我から復帰した際、関わった理学療法士やリハビリという仕事をテレビで見て興味を持ちました。地域や社会に貢献していることを知り、可能性がある仕事だな、やってみたいなと思ったのがきっかけです。

プ:私もテレビで見て、「すごい仕事だなぁ!」と思っていました!人が地域で健康に暮らしていく上で絶対に必要なお仕事ですよね。ところで、理学療法士ってリハビリのイメージがありますけど、認知症予防をメインにしたのはなぜですか?

國:病院でリハビリをしていると、効果が出やすい人と出にくい人がいるのでなぜかと考えました。病気になる前に基礎体力、生活習慣を変えていれば入院しなくてよかったのではないか?…そう思い、病気にならないための取り組み、介護予防をしたいと考えていたところ、病院の方針・認知症疾患医療センターの役割・自身の想いがマッチしたのが理由です。

プ:なるほど。先生はさまざまな場所でご活躍されていますが、地域の方にとっては身近にリハビリの専門職の方と関われるすごくいい機会ですよね!いきいきプラザのご利用者さん達からも大人気ですし。ぜひこれからもずっと続けてください!
では、先生が今まで活動していて良かったこと、嬉しかったことを教えてください。

國:いきいきプラザなどで事業を行うようになり、病気になる前の人がどんなことをしたいとか、不安を感じているとか、直接聞けるようになったことが良かったです。また、講座の参加者が一生懸命取り組んでくれていることが嬉しく、やりがいを感じています。

プ:確かに、一生懸命取り組んでくれるのって嬉しいですよね!
続いて、國枝先生の今後の目標、目指していることも教えてください。

國:活動に参加していない人、ひきこもっている人が地域にはたくさんいます。自身のノウハウを色々な方と共有し、地域高齢者の健康増進につながるよう還元していきたいです。

プ:すばらしい!

國:そのためにはやはり行政の力も必要だと感じています。自治体が関わっているということが利用者さん達の安心にもつながりますし。様々な地域機関と協力して目標に向かっていけたらと思っています。

プ:そうですね!

國:あと個人的には、港区の歴史をもっと深く知ってみたいですね。それと、来年の港区シティハーフマラソンに出たいです♪

プ:マラソン!? 応援しています…
それにしても、今や國枝先生は高輪地域の高齢者の皆さまからはちょっとした有名人ですよね!

國:いきいきプラザなどと共催事業を行うことで、私も含めですが介護予防、認知症予防が地域に広まってきていると感じています。

D:話は変わりますが、認知症というと高齢者のイメージですが、予防はいつ頃から始めたらよいのでしょうか?

國:認知症は、発症の15年位前から特殊なタンパク質が蓄積される影響でなると言われています。そのため、50才前後から対策をとることが望ましいと考えられます。

D:そうなんですね。

対策として、バランスの摂れた食事・睡眠・運動・社会交流など生活習慣の見直しが大切です。これはもっと若いうちから取り組んでもよいと思います。高齢になってから、いきなり生活習慣を変えることは難しいと思いますので。

S:最近は認知症をテーマにしたドラマもやっていますよね。

國:そうそう、最近反響がすごいんですよ。“本当にあんなに若くて認知症になるの?”とか“症状ってあんなに一気に進むの?”とか。ただ、多少誇張はしているかもしれませんが、一般の方に軽度認知障害(MCI)について知っていただくよい機会になりましたね。

プ:実際に若年性認知症って多いのですか?

國:病院にもよりますが、20~40代の外来患者の方もまれにいますね。

S:僕、最近物忘れが増えてきてるんですけど、大丈夫ですかね?

國:仕事がお忙しいと、一時的な健忘はありえます。すぐに思い出せるのであれば、まだまだ大丈夫かと。

S:良かった!少し安心しました!今日来て良かったなぁ(^_^) 

國:精神的ストレスから発症、進行につながるケースも多いですよ。高齢者ですと、配偶者との離別などが原因になることもありえます。それ以外にも様々な要因が重なるとリスクは増えますね。

W:将来は認知症や介護予防が学校の科目に入るといいですよね。

國:確かに、小さいころから認知症について正しく理解する機会があるといいと思います。認知症の方との接し方など浸透していくといいですね。
W:そうですよね。

最近は認知症サポーター養成講座など、学校や企業向けに開催されることが増えてきています。行政や機関が連携することで、さらに認知症になっても暮らしやすい地域になっていくといいですね!

プ:私もそう思います!國枝先生、本日はありがとうございました。とても参考になるお話が聞けました!ぜひこれからも地域の皆さまのためによろしくお願いいたします。

國:こちらこそよろしくお願いいたします。